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“パートナーは一人だけだから”
“今のところ症状がないから”
“セックスした時、相手はまだ潜伏期間だったから”
“オーラルセックスだけだったから”
“もう、しばらく異性との関係がないから”
性病には潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が長いものや、無症状のものも多くあります。特に女性は無症状の場合が多いので、以前のパートナーから感染し、現在のパートナーと交際をはじめた後に気づくこともまれではありません。また、オーラルセックスによって感染した場合、性器だけでなく喉(のど)に症状がでることがありますので、性病とは気づきにくい場合があります。
性病によって男性も女性も不妊症になることがあります。それ以外にはがんの原因となったり、母子感染をしたりすることもあります。また、赤ちゃんへの影響は必ずしも母親と子供の間だけで起こるとは限りません。細菌のついた手や口で赤ちゃんに触れることで父子間でも感染する可能性はあります。
性に対して慎重であることや自覚症状がないことは、残念ながら性病の有無を判断する材料にはなりません。
感染しているかどうか、それは検査によってしか知ることができないのです。 |
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感染報告件数の順位 |
厚生労働省が発表した平成17年の統計によると、性病感染の件数は以下の順位で報告されています。
- クラミジア感染症
- 淋病
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
- 梅毒
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性器クラミジア感染症 |
性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスという微生物(細菌の一種)が原因で起こります。
基本的には性交で感染しますが、口を使用したオーラルセックスでも感染することがあります。
- 男性の症状
性交の1〜3週間後に尿道炎として発症します。かゆい・排尿時にしみる・痛む。
また透明、白いサラサラとした膿が出る事があります。
放置すると前立腺炎・精巣上体炎を起こします。
- 女性の症状
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無症状のことも多いので、知らないうちに感染している場合があります。
おりものが多い・黄色いおりものが出る・下腹部痛・排尿時痛・かゆいなどの症状が出ることもあります。
放置すると子宮内膜炎・卵管炎を起こし、進行すると腹膜炎を起こす事があります。
また、卵管に炎症が起こることにより不妊症になることがあります。
クラミジアに感染した女性が妊娠すると、流産・早産・子宮外妊娠の危険性が高くなります。
新生児に感染すると、結膜炎・肺炎を起こします。
オーラルセックスなどにより咽頭に感染すると、扁桃炎・咽頭炎を起こします。
肛門に感染すると、肛門の痛みとともに、黄色い膿や粘液が出ることがあります。
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淋病 |
淋菌という細菌が原因で起こります。
基本的には性交で感染しますが、口を使用したオーラルセックスでも感染することがあります。クラミジアと同時に感染することも多くあります。潜伏期間は2〜10日。
- 男性の症状
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尿道のかゆみ・灼熱感・排尿時痛・尿道から粘液性の分泌物が出る・濁った黄色っぽい膿が出る・ペニス全体もしくは尿道口が腫れる・勃起時に痛む
放置すると前立腺炎を起こしたり不妊症になったりすることがあります。
- 女性の症状
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比較的無症状のことも多くあります。
おりものが増える・緑黄色のおりものが出る・かゆい・排尿時痛・尿道の違和感
放置すると子宮頚管炎・卵管炎を起こし、不妊症になることがあります。
オーラルセックスにより口腔に感染すると扁桃炎・口内炎を起こす事があります。
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尖圭コンジローマ |
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウィルスによって起こります。
主に性交によって感染しますが、ごくまれに手指や器具を介して感染することがあります。現在、ヒトパピローマウィルスと子宮ガン・陰茎ガンとの関連性が示唆されています。
- 男性の症状
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亀頭・冠状溝・直腸・肛門に粟粒状のイボができます。放置すると増殖しますが、ほとんど無症状です。痛み・痒み・排尿時痛を伴うこともあります。
- 女性の症状
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外陰部・会陰部・肛門に、男性同様粟粒状のイボができます。無症状のことが多いため、気づかないうちに膣や子宮に感染していることがあります。
尖圭コンジローマに感染している女性が妊娠すると、新生児に感染したり、喉(のど)にイボができる多発性乳頭腫になったりすることがあります。
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梅毒 |
梅毒とはスピロヘータの一種である梅毒トレポネーマという細菌が原因で起こります。基本的には性交で感染しますが、口を使用したオーラルセックスでも感染することがあります。
症状
- 第一期
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感染後3週間〜3ヶ月まで
感染した部分に赤っぽいしこりができ、脚のつけ根が腫れてきます。しばらくするとしこりは消えますが、まれに潰瘍になることがあります。
- 第二期
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感染後3ヶ月〜3年まで
全身のリンパ節が腫れ、熱が出ます。バラ疹と呼ばれる特徴的な赤い斑点が出ますが痛みはありません。しばらくするとバラ疹は消えます。
- 第三期
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感染後3年〜10年
長い期間、症状が落ち着いていることがありますが、体内で病気は進行しています。内臓のあちこちにゴム腫と呼ばれるゴム状のこぶができます。
- 第四期
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感染後10年以上
進行麻痺、大動脈瘤、痴呆などを発症し、最悪の場合死に至ることもあります。梅毒に感染した女性が妊娠すると流産したり、先天梅毒になったりすることがあります。
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トリコモナス症 |
トリコモナス症は、トリコモナスという原虫の一種が原因で起こります。主に性交によって感染しますが、タオルの共有、下着、便器、浴槽を介して感染することもあります。
- 男性の症状
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ほとんどが無症状ですが、まれに前立腺炎、尿道炎を起こすこともあります。前立腺炎を起こすと精液に血液が混じり、尿の出が悪くなる事があります。また、尿道炎を起こすと排尿時に痛みが出ます。
- 女性の症状
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白または黄色い悪臭のあるおりものが出ます。排尿時痛・性交痛があるほか、外陰部の痛み・かゆみ・膣炎なども起こることがあります。
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HIV感染症(エイズ) |
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)が原因で起こります。
性交・母子感染・血液による感染がありますが、現在は輸血や血液製剤による感染に対しては厳しいチェックがしかれ、感染予防の対策がなされています。また、妊娠中適切な処置を行うことにより、母子感染の割合も減ってきています。
食器や衣類の共有など、日常生活において感染することは、まずありません。
症状
- HIV感染
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無症状のことも多い。発熱・吐き気・下痢・咳・体重減少など、一見風邪のような症状が現れます。
- キャリア
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まだ免疫力があるため、無症状の状態が長くつづきます。10年くらい無症状が続くこともありますが、ウィルスにより免疫力は少しずつ低下してゆきます。
- 発症
免疫力がなくなるため、健康なときにはかからなかったような様々な病気や悪性腫瘍を発症します。そして、エイズウィルスそのものが原因というよりも、様々な病気に対して抵抗力がないことが原因で死に至ります。
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B型肝炎・C型肝炎 |
B型肝炎ウィルス・C型肝炎ウィルスが原因で起こります。
血液や体液によって感染しますが、輸血やその他の医療行為による感染に対しては
厳しいチェックがしかれ、感染予防の対策がなされています。
コンドームを使用しない性交でも感染します。
症状
倦怠感・食欲不振が起こり、やがて白目(強膜)や皮膚が黄色くなる黄疸が出始めます。
症状がほとんど出ないこともあります。
B型肝炎・C型肝炎に感染すると、多くは無症状のまま慢性肝炎になり、肝硬変から
肝細胞ガンへと進行します。
劇症肝炎
B型肝炎・C型肝炎の多くは治療により慢性化せず治癒するか、緩やかに慢性化しますが、1%くらいの確率で急激に悪化し、最悪の場合死に至ることがあります。
劇症肝炎になると異常行動が現れ、鳥が羽ばたくように小刻みに手が震える羽ばたき振戦が起こることがあります。すぐ眠るようになり、やがて昏睡状態に陥ります。
一週間程度で死に至ることもあります。 |
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