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アンチエイジングと栄養 |
○若さを維持するには亜鉛を
人は、生まれてから毎日細胞分裂を繰り返します。赤ちゃんから成長して子供になり、大人になるまで細胞分裂は盛んに行われます。やがて年をとると細胞分裂が少なくなり、見た目にも変化が現れます。若いころにはなかったしみができたり、肌がたるんだり、髪にコシがなくなったりします。細胞分裂を盛んにするには亜鉛が必要です。亜鉛はよい粘膜をつくる働きもあるため、不足すると肌が荒れやすくなったり、アトピー性皮膚炎になったりします。また、爪や髪は皮膚が変化してできたものですから、爪が割れやすくなったり髪がパサついたりしてきます。
○しわ、しみ、たるみを防ぐには鉄・たんぱく質・ビタミンC!
亜鉛のほかに、よい粘膜をつくるのに重要なのが鉄分です。ニキビができやすい(特にあごの周り)、爪が割れやすく、へこみやゆがみがある、しみができやすいなどの症状がある場合は、鉄分が足りていない可能性があります。鉄は、ビタミンC、たんぱく質とともにコラーゲンをつくる栄養素でもあります。コラーゲンドリンクを一生懸命飲んでいる女性は多いと思いますが、コラーゲンを飲んでも消化吸収の過程で小さな分子のアミノ酸に分解されてしまうため、コラーゲンとしては働きません。肌がたるんだり、しわができたりするのは老化によってコラーゲンの弾力性がなくなってくるからですが、鉄とビタミンCとたんぱく質で、弾力性のあるコラーゲンが作られるため、しわが薄くなり、肌のたるみが改善します。その他、鉄がアンチエイジング上重要なのが、しみを薄くする作用を持つという点です。なぜ、鉄にしみを薄くする作用があるのかをお話するには、まず、活性酸素について知っていただかなければなりません。
○体をサビつかせる活性酸素
活性酸素とは、非常に強い酸化力を持った酸素です。普通に呼吸をして、酸素を取り込むだけでも活性酸素は発生しますが、活性酸素が増える原因として、呼吸が激しくなるきつい運動のほか、喫煙、紫外線などがあります。
活性酸素には、体内に侵入したウィルスや異物を除去する働きがあるため悪いばかりではありませんが、その働きによって細胞が酸化され、傷がつくと機能が衰えてきます。
紫外線を浴びる事によって皮下に活性酸素が発生するとメラニンが増加し、しみができます。体内で発生した活性酸素を除去しようとして、それに対抗する酵素が体内で作られますが、年齢とともに作られる量が減ってきます。若いころは日焼けしてもすぐにきれいな肌に戻ったのに、年をとるとしみになってしまうのは、酵素が減ってしまうということも原因のひとつです。
活性酸素に対抗する酵素のひとつであるカタラーゼは、鉄とたんぱく質からつくられるため、慢性鉄不足の女性は、より、しみができやすく消えにくい状態になってしまうのです。活性酸素に負けないように、鉄とたんぱく質をしっかりとりましょう。鉄、たんぱく質不足が原因でできたしみは、薄くなっていきます。また、年々減ってくる酵素の働きを補うために抗酸化力のある栄養素をとりましょう。ビタミンC、ビタミンEはそれぞれ抗酸化力を持っていますが、一緒にとることで、より強い抗酸化力を発揮します。赤ワインやブルーベリーに含まれるポリフェノールにも抗酸化力があります。
○赤ちゃんのようなみずみずしい肌になるために
赤ちゃんはぷくぷくと張りがあって、とてもみずみずしい肌をしていますね。それは、赤ちゃんが大きく成長するためにアミノ酸を沢山合成しているからです。アミノ酸がたんぱく質へと合成される過程で水分子ができるのですが、その水分が、あのみずみずしさと張りを与えているのです。
赤ちゃんのみずみずしさは、化粧水の水分でもなく、口から取る水分だけでもなく、最大60兆個といわれる全身の細胞が蓄えた水分なのです。成人でもアミノ酸を合成する際には水分子がつくられるため、見た目にも若々しい人でいるためには充分なたんぱく質を摂りましょう。 |
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栄養セルフチェック |
あなたはどのタイプかセルフチェックしてみましょう!
- 低血糖症タイプ
- 甘いおやつ、清涼飲料水をよく摂る
- おかずよりも主食(ごはん、めん)をよく食べる
- お腹が空くと、頭痛、吐き気、めまいがし、甘いものをとるとおさまる
- 家族に糖尿病の人がいる
- 甘いものをとるとイライラや不安がおさまる
- 早食いである
- 食事を主食だけで済ますことが多い(ラーメン、うどん、パスタ、丼ものなど)
- たんぱく質不足タイプ
- 肉をあまり食べない
- 食後にお腹が張る、胃もたれする
- ステロイド剤を使用している
- 食事を主食だけで済ますことが多い(ラーメン、うどん、パスタ、丼ものなど)
- 激しいスポーツ、重労働をしている
- 豆腐や納豆、牛乳ばかりでたんぱく質をとるようにしている
- 足がむくみやすい
- 鉄分不足タイプ
- 息切れしやすい
- 偏頭痛がある
- あざができやすく治りにくい
- のどにつかえなどの違和感がある
- 爪が割れやすい、スプーンのように反っている
- たちくらみ、めまい、耳鳴りがする
- しみができやすい
- ニキビができやすい(とくにあごの周り)
- ビタミンB群不足タイプ
- 物音に敏感である集中力がない
- 寝ても疲れがとれない
- 夢をよく見る、熟睡した感じがしない
- 肩こりがひどい
- 口内炎ができやすい
- イライラしやすい
- 不安になったり落ち込んだりしやすい
- 亜鉛不足タイプ
- 風邪をひきやすい
- 髪にコシ、張りがなく抜けやすい
- 肌荒れしやすい
- 味覚が鈍い
- 金属アレルギーをおこしやすい
- 傷の治りがおそい、痕になりやすい
- 性欲の低下を感じる
分子整合栄養療法では、60項目の血液検査データから、栄養の過不足を読み取ります。
そのため、会社の検診や人間ドックの血液検査データでは情報が少なく正確に判断することができませんが、参考までに、分子整合栄養医学的な検査データの解釈のしかたを表にします。理想的な数値は、実際には一人ひとり異なるためあくまで目安です。
ご自分の検査データと上のチェック項目と合わせて、不足している栄養素を調べてみましょう。
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一般的なデータの解釈 |
栄養療法によるデータの解釈 |
GOT(AST) |
肝機能 |
ビタミンB群の過不足 |
GPT(ALT) |
肝機能 |
ビタミンB群の過不足 |
γGTP |
肝機能 |
たんぱく質の代謝 |
ALP |
肝胆道系疾患・骨代謝 |
亜鉛の過不足 |
ChE |
中枢神経・肝機能 |
たんぱく質・ビタミンB群の過不足 |
BUN |
腎機能 |
たんぱく質の代謝 |
LDH |
肝機能・血液疾患 |
たんぱく質・ナイアシンの過不足 |
例えば、GOT、GPTについて説明すると、この二つはもともと肝臓に多く存在する酵素です。肝臓が損傷を受けると血液中にこれらの酵素が流れ出てくるため、GOTやGPTの数値が高いと肝機能障害を疑うわけです。会社の検診や人間ドックでは、GOTやGPTが高いかどうかだけをチェックし、低いことは特に問題とされません。
これを分子整合栄養医学的に見てみましょう。
GOT、GPTが酵素であるというのはご説明したとおりですが、酵素というのは単体では働くことができません。必ず、補酵素というパートナーが必要なのです。補酵素があって初めて酵素が活性します。GOT、GPTはビタミンB6を補酵素としているため、この数値が低いということはビタミンB6が少ないためにGOT、GPTが壊れてしまっていることを示します。ビタミンB1、B2などのビタミンB群は、他のビタミンB群と相互に作用しながら働くため、単純にビタミンB6だけが不足しているというよりも、ビタミンB群全般が不足していると解釈します。とくに、GOTよりGPTの値がずっと低い場合はビタミンB群不足が重度であるといえます。GOTは補酵素がない場合、酵素として機能することはできませんが、不安定ながらも少しは単体で存在することができます。一方、GPTは単体で存在することができないため、ビタミンB6がないとどんどん壊れて先に数値が下がっていくのです。 |
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